LE GRAND MUSEE DU PARFUM

PARIS香水大博物館

19世紀、ロードレール男爵が住んでいたロードレール邸 
かつては、ファッションブランド クリスチャン・ラクロワのメゾン跡地
(73 rue du faubourg Saint-Honore 75008 Paris)にオープン。

地下1階、地上3階、1400㎡という広さ。
改装を担当したのは、建築家レザ・アザール氏
17世紀に建てられた館の特性を活かし、
庭からの陽光を上手く取り入れた各フロアー、
ゆったりした階段、
地下のカーヴの雰囲気は素晴らしく、
来場者を包み込むような、今までにないスタイル。
個性的かつ革新的ともいえる空間を作り出している。

 
 
香水大博物館は、香りにアプローチしてゆくように、
1.香水の歴史(地下1階)
2.化学と嗅覚(2階)
3.調香師のアート(3階)

と、3つのテーマに分かれている。

1.香水の歴史(地下1階)

香水の誕生から、香水の製造の到来までを展示。


ソロモンとシバの女王など、歴史上の
香りと愛にまつわるエピソードが、
数々 暗闇の中、
色鮮やかに展示されている。
古代エジプトまで遡り、
世界初の調香師 神官による
人類初めての香水(練香)「Kyphi」や、
ハンガリーの「Edu de le Reine de Hongrie」
ペストが流行した際、感染免れたというビネガー、など
当時の香りを実際に体験できる。

17世紀に登場した香水売りの彫像。
香水のボトルコレクション。
  

 
1830年以降、飛躍的に発展した 香水の歴史その栄華をポスター映像などで見せながら時代背景を紹介。
来館者を古き良き時代にタイムスリップさせます。
アルデヒドC-11などの合成香料の発明、20世紀、何軒もの香水ブランドが新商品を発表。
その発展史を見ることができる。

2.(化学と嗅覚)感覚の世界

「香りの庭」と題された展示室。
植物の様な茎、
花をかたどった白いオブジェと
庭園を歩くイメージでできている。
花のオブジェ ディフューザーに顔を近づけると、
発光して、図柄が現れ、同時にその香りが中心部から漂ってくる。
香りの化学を実体験しながら、嗅覚の不思議に迫ります。

他に、香りのシャワールームや、香り当てのテストなど、来館者を楽しませるようにもなっている。

3.調香師のアートの世界

 
雫フォルムの金属ボールには、ひとつ ひとつの調香素材、
ボールを回し 香りを嗅ぎ
耳をあてると
香料名、歴史、エピソードが語られる。
最先端の技術と 香りの融合が 来館者を驚かせる。
 
上の球体の香りを それぞれ嗅ぐことができる。
中央には、バラから抽出された本物の香料、
5つの花弁には、調香師が表現した さわやかなバラ、甘美なバラ といったローズ5種。
この装置で調香師のクリエイティビティーを表現している。
 
ラボでの実際の調香シーン オルガンでのラボでの仕事を 
光と音で見せるインスタレーションなど
解説を交え、映像で見せてゆく。

1階は香水の展示

 
年間400種もの新商品と言われる 
Parisならではの
自分好みの香水を探す為に
広いフロアーに用意された 
ブランド別 香水の数々が見事です。
 
香水に関する書籍が充実 日本では入手困難な専門書や
子供向けの 香りの絵本など 欲しい本ばかり。

まとめ

 

数年の歳月をかけ、
ひとつのブランドに偏らないで
50余りの個人企業が、資金を出したという
フランス香水産業界 肝いりの
感覚器官である 嗅覚を呼び覚ますことをミッションとして生まれた博物館。
なかでも、グラース国際香水博物館や
パリの歴史がテーマのカルナヴァル美術館などからの協力得た100点近い展示物も
見応えがあり、博物館と呼ぶにふさわしいものばかりです。
かつて高級ブランドのブティック通りだったサントノーレは 数件の香水専門店が軒を連ね、
まっすぐに歩き続けると 香水大博物館にたどり着けるという環境。
また、高級デパートとして知られている ボンマルシェも、
デパートの1階全面を ブランド別コーナーに分けて香水ショップにするなど
本来のパリらしく、香水に力を入れ始めました。
パリのありかたを見直した、
パリの新名所としての今後が大いに期待されます。

 

エコール・ド・パルファン®
学長 森田 洋子



※ 「エコール・ド・パルファン 調香師への扉の会」は商標登録しています
 登録商標第57293885号